笑いのカイブツ
2024年1月5日
予告見て面白そうだなぁと思っていたのと、個人的に仲野太賀が好きで、新年一発目の映画館での映画鑑賞は笑いのカイブツにした。ネタバレします。松本穂香はかわいい。
いろいろなところで話されてはいるけど岡山天音の芝居に圧倒された感じはある。ミカコにおっぱい見たことを指摘されたあとシーンや、彼氏がいることを告げられたときの表情が不器用すぎて、少しばかりの愛おしさすらも感じてしまう。
どこか、だれかにイライラをぶつけたいけど、優しさなのか、勇気がないのか人や物にあたることができず、結局地団駄を踏むあの感じは、正直見ていて辛かったのと、周りの人みんな優しすぎだろ、と終始思っていた。
とくに西寺はすごい。どれだけツチヤのことを認めていたとしても、必要な人間だと感じていたとしてもあそこまで冷静に、諦めずに説得することは私にはできないと思ってしまった。
「いい加減怒るぞ」という言葉は、ツチヤに対して「怒る」という行為は本人を苦しめるだけで何もよくならないということを分かっているからこそ出る言葉だと私は思う。
駐車場で初めて声を荒げたのも、ツチヤを叱るではなく、引き留めるための優しさの爆発だったのではないだろうか。いや、才能を持て余していることに対する一種の怒りだろうか。
私は、周りは気にせず、その人のやりたいことをやればいいだろ、とか思っている。と思ってたけど、ツチヤの行動に苛立ちを感じる時点で、結局自分は社会側の人間なんだと、気付かされてしまった。天才を押し殺す、出る杭を打つ側の社会の一部。
でも、エンジニアとしてHRTを大事にしている身としては、どんなに奇才だろうが、天才だろうが、1人でできないなら他人に頼るしかないし、他人に頼るなら少しでいいから周りに対するリスペクトを持ってほしいと思う。
「人間関係不得意」の言葉で逃げ出せるなら、自分の思い通りにいかないことを我慢できない程度で投げ出してしまうなら、全部1人でやったらいいよ、とどこかで思ってしまう。人間関係得意なやつなんてこの世界にいるのか?
一方で、どういうことでどのくらいストレスを感じるのか、そしてストレスのキャパシティは人それぞれだということも頭では分かっているつもり。
ベーコンズのモデルはオードリーであり、西寺は若林だとあとで知ったけど、なるほどなぁと言う感じだった。感情的になりそうになったり、人を見捨てそうになったり、人間関係を断ちそうになったら、若林を憑依させようと思う(?)
やはり居酒屋でのシーンは苦しかった。苦しくて苦しくて、唯一の拠り所を頼って戻ってきたのに「お前が羨ましい」とか言われたら、逃げ場がなくなってしまうよなぁ。考えるだけで胸が苦しくなるよ。
岡山さんは家に帰ってたまたま観たサ道〜2022年冬〜にも出演されていて、同じ人間なのにこんなにも違うのかと、改めて俳優という職業のすごさを感じた。