正義のミカタ
2019年3月27日
Amazonプライムビデオでdeleというドラマをみて、面白かったので原作者の本多孝好さんの本を衝動買い。 大好きな伊坂幸太郎と並んでたりして以前から少し気になっていたのでちょうどよかった。いろいろ調べて話題になりがちだった正義のミカタのkindle版を購入。
※若干ネタバレがあるので読む人は閉じてください。
内容は高校時代いじめられていた男の子が大学に入って、大学ではとにかく目立たないよう過ごすことを意気込むも、 知らないところでメインのいじめっ子も同じ大学に入っていて、1日目からボコられる。 そこに急に現れた元ボクサーの同級生に助けられ、そいつと二人で「正義の味方研究部」というサークルに入って 大学にいる悪い奴らをどうにか更生させようって話。
若干の恋物語もありつつ、いじめられっ子が一般的な正義をそれっぽくふりかざすが、最終的には自分なりに正義と向き合って終わる。 たしかにキャラクターの感じとか、日常っぽい非日常な感じとか伊坂幸太郎と似ていて一気に読めた。けど、伏線の回収はだいたい予想がついたかなー。
小説であまり線は引かないけど、新入生を犯した男に誓約書を書かせた時に、部長が言っていた
それをして本当にいいのか。行為をなす前に、一瞬でもいい。考える時間を置かせる。その考える基準を自分の基準ではなく、他人の基準に置かせる。我々の基準に置かせる。そこに少しでも迷いが生じれば、人はそう悪いことはできないものだ。
という言葉はなるほどなと思った。多分自分が何かを決断しようとした時、この一文を思い出すのかな。
あと主人公の亮太の父さんが
強さと弱さが試されるのは、いじめられたそのあとだ。お前はそれを乗り切った。たった一人で乗り切った。お前は、強いんだよ
と言ってたのがグッときたなぁ。それは親としてとても無責任な言葉かもしれないけど、家族含めいじめという言葉を誰一人出さず、どうしていいかわからなかったんだろうな。
そんな辛い日々を一人で乗り越えた亮太は強い人間なんだろう。言ったもん勝ちとかが嫌いな私にとっては、心に残る一文だった。
あと個人的にいいなぁと思ったのは、主人公の亮太が喧嘩のセンスはあり、同級生に鍛えられるも最後まで人を殴ることなく、いいところを見せつけることなく終わるところかな。 最後までいじめられっ子としての自分を貫いていた亮太はどこかかっこよさを感じる。ただ、間先輩のストーリーが長かったので、少し短くして部長メインの話があってもいいなぁと思った。