東京に住みながら地方に家を買うのは大変だった話
2023年1月11日
東京都に住みながら仙台に家を買った。1年ほど前の話。
金利はまぁ安いほうだったと思うし、なんだかんだタイミングは間違っていなかったかなとは思うけど、隣の芝は青いとはよく言ったもので、家を買った途端に「あーこの辺静かそうでいいなぁ」とか「あそこの敷地広くていいな」とか無い物ねだりが始まるので人間というものはほんとにめんどくさいなと思う。
もう二度と家を買うことは多分ないんだろうけど、誰かに何か聞かれた時にアドバイスできるくらいには情報をまとめておこう。
なぜ引っ越したのか
まぁいろいろ理由はあるんだけど。
外向きにかける理由としては、東京に住んでると仕事が人生みたいになってしまいそうだって感じたからかな。とにかくいろいろな環境を変えたいって急に思った。
それにコロナで外に出れない日々が続いて、これって別に東京にいる意味ないんじゃないかって思ったのも一つの理由。
運良く今の会社には仙台拠点があって、ちらっと相談してみたら、不可能ではないって言ってもらえたのはよかった。
いろいろ検討フェーズ
賃貸か、持ち家か
最初は賃貸で探してたけど、よくよく将来を考えたら今後仙台から県外に引っ越すことも考えられないので、もはや賃貸である必要がないなと思い始めた。
親と一緒に住むつもりだったし、賃貸だと定期的に引越ししたくなるから、もういっそのこと買ってしまおう、という割と勢いまじりな感じだった気がする。
そりゃ独り身で家を買うのはあまり得策ではないような気がするけど、結婚するかどうかなんて将来のことはわからんし、未来のこと考えるよりも今の自分が置かれている状況で判断することにした。
もちろん、持ち家はあとで変更できないので、自分の選択に自信が持てない人は賃貸にしておくといいと思う。ちなみに私は自分の選択には自信なんてこれっぽっちもない。
戸建 or マンション
正直特にこだわりはなかったけど、最初はとにかく横に広い家を探していて、自然と戸建ばっかりみていたような気はする。
強いていうなら昔自分が住んでいたのがマンションだったので、戸建というか庭とかに憧れはあった。サザエさんの影響だろうか。あと、戸建の方が自分で好き勝手にできるっていうイメージもあった。
たぶんマンションは駅近とかに立つから通勤はしやすいんだろうけど、できれば静かなところに住みたかったし、もし通勤がほんとに不便ならフルリモートの会社に転職すればいいかなと思ってた。
中古 or 新築
最初は中古で探していて、いくつかピックアップして不動産会社やハウスメーカーに勤めている親戚に相談したところ、全員が新築の方がいいというのでプロの意見を信用することにした。
餅は餅屋というし、こういう大きな買い物は専門家の意見を聞いておいた方がいいと思う。というより自分自身がそれぞれのコストメリットを十分に調べて自分で判断できるスキルがあるとは思わなかった。
理由としては、中古は保障関係が効かないことが多いので、なにかあった時に大変になるよっていうことだった気がする。なにかってなんだろうとは思うけど。
これは当然だけど、新しい家のほうが耐震性能がよかったり、エコ設備が整っていたりする。一定の基準を満たしていると、住宅ローン控除で受けられる額が変わってくるとかもあるかな。
中古はフルリノベーションするくらいの時間と体力とお金と覚悟が必要になるので、そういうところも含めて楽しみたいなら、もちろん中古でいいと思う。
死ぬまでここに住むつもりはないし、年老いたら土地を売って、海外の小さな家に住みたい。そのくらいの気持ち。
立地と間取り
立地を取るか、土地の広さを取るか、ここが一番迷った。
駅近とか、立地がいいところにはたくさんの家が建つので、1つ1つの家は狭く、隣の家との距離が近い。それに値段もそれなりに高い。
駅から遠くなれば、庭付き一戸建てみたいな土地の広さでもそれなりに値段下がっていったりする。もちろんその分、通勤は大変になる。
自分はどちらかというと、周りの家とは距離を取りたかった(もっと言えば山奥に住みたかった)ので、後者を選んだ。
どの家も新築だったから内装は当然良い物件ばかりだし、正直どこに住んでも大差ないなーと思った。強いていうなら、親と住む予定だったので、1階に部屋がないと無理かなと思っていたくらい。
価格は引越し前の家賃をベースとしてこの辺かなーというあたりをつけられるので、そこまで迷わなかった。
不動産会社さんとお願いしてからのいろいろフェーズ
必要になった手順、資料、手続きをまとめた。知らないこと多すぎて、ほんと義務教育で教えてほしいと思った。自分の子供がもしできたら、しっかり教えようと思う。
頭出し
まずスタートはいくつか自分で探して不動産屋に内覧を依頼するところから。
勢いで仙台に帰った後にいくつかピックアップして内覧したいですーと相談したが、明日は無理ですと言われ、とんぼ返り。自分の計画性のなさに辟易する。
見切り発車で行動せずに、まずは東京にいながら不動産会社に連絡して、どう進めればいいかを相談しよう。できるだけオンラインで進めたいことも伝えた方がいいと思う。
あと、家を探すときはWebサービス使うと思うけど、どうしても駅とかエリアから選んでしまいがちになる。
でも実は「地図から探す」がもっとも使いやすい。条件を設定しつつ、マッチする物件が地図上に表示されるのでおすすめ。
相談
家探しには必須となる、価格の範囲、立地、条件を聞き出してもらうフェーズ。
自分の場合はまず価格上限を設定して、職場への通勤経路を想像して大体30分から40分圏内で通勤できるところを探した。これで大体10件くらいには絞れる。(もちろん価格上限があがるほど物件は増える)
ただ、そういう物件は当然他にも狙っている人がいるので、相談している内に減っていく。逆に増えてもいくのだが、これは無限ループなので、見切りをつけた方が良いとは思う。ここの見極めは難しかったなと思う。
最終的に決めた物件は、実は最初には考えもしなかった場所になった。地方は駅間が遠いので、都心のように何度も止まったりしないから、地図上では遠く見えても、実は電車だと数分で着いたりする。
相談の段階で源泉徴収票は提出した気がする。
内見
物件を3件まで絞って、ここからは内見フェーズ。これはもちろんオフライン。やっぱり新築独特の匂いといい、どこを見ても魅力的だった。
都心への距離(会社まで自転車圏内)をとるか、土地の広さをとるかで最後まで迷った…。
契約
家が決まったら、不動産会社にて仲介業者さん、売主さんとの3人で契約書にひらすらサインをしていく会。引越し前の住所を何度も書かされて正しい住所を書けているか途中から不安になった。
物件の最終確認・立ち合い
売主であるハウスメーカーさんと家を見て回るフェーズ。
家の中を一緒に見て回って、ペンキ塗り忘れてるところがないかとか、壁紙気になるところとかを言って、住むまでに直してもらう感じ。
ローン申し込み
銀行の本社に行ってローンの申し込みをするフェーズ。ここで大事なのは「最終的にいくら借り入れをするか」を決めておくこと。
新築の場合、カーテンレールがなかったり、当然だけどエアコンがなかったり、庭に芝をしいてもらったりすると、それなりにお金がかかるのでその分もローンに含めるのならば、このタイミングまでに各社に連絡をして見積もりを用意しておく必要がある。
「何に使うお金を借りるのか」が大事なので、見積もり金額の合計よりも借りる金額のほうが大きくなってしまうと、使途不明金が出てしまうため、めんどくさいことになる。
住所変更
ローンの本審査が通ったらあとは引き渡しになるので、引き渡し日の前に住所変更をする必要がある。
当然、仙台の自治体に直接いく必要がある。ただめんどくさいことに、実際に住んでいないと住所の変更ができないらしい。
「今家を買っていて、これから引っ越すのに、新しい住民票が必要なんです」と伝えてしまうと「それだとまだ住んでいないことになるので、受理できません」ということになる。
どういう事情があるのか知らないけど、みんなそうやってグレーゾーンを通っているのだろうか。謎だ。
金消契約と引き渡し(最終日)
金消契約というのは正直よくわからなかった。最終的な借入金額とか年数とか金利とかをみんなでもう一回確認して署名する感じ。
ローンの審査が終わったら、今度は家の近くの銀行に仲介業者さんと、ハウスメーカーさんと、司法書士の先生が集まって振り込みとかいろいろやる。
このタイミングで外構施工業者にも振り込まれる。いろいろ完了すると家の鍵がもらえて、一通りの取引がやっと終わる。
実際に住んでみて思うこと
少し歩けば土手に出られるし、車通りも少なくて静かで過ごしやすい。
最寄り駅まで歩くと40分くらいかかってしまうのが玉に瑕かもしれないけど、基本自転車だし、歩けば運動にもなるし、まぁいいかと最近は思う。車で10分のところに新しいサウナができてたのもタイミング的によかった。
県外から家を買うのは難しいし大変だった。会社と不動産屋さんと銀行とのタイミングを合わせなくちゃいけなかったりして、けっこう色々な人に迷惑をかけたような気もする。もっと余裕を持って計画的にやれるとよかったのかな。