撤回できない人間
2021年8月24日
自分は「撤回できない人間」だ。それは、自分がもっとも嫌いな部分だ。
もちろん嘘をついているわけではないのだが、会話をしている中で誤解が生まれ「あれ、さっき言ったこと間違ってるわ」ということがたまーにある。しかしそれは結果として嘘となる。
気づいた時に会話を中断すればいいのに、撤回できないのだ。とくに認識の齟齬がある状態で話が盛り上がってしまったりすると致命的。そこで撤回すると、今起きた共感はどこへ行ってしまうのか。(いやそもそも、間違っているのだから、共感しているふりをしているだけなのだが)
撤回したあとで「え、そうなると話は変わってくるよ」なんてことが起きて、悪い方向にことが進んでしまったら、と考えると怖い。とりあえず話を合わせてやり過ごせばいいや、なんて考えてしまう。
でも、そうじゃない。そもそも世界中の誰とでも意見が一致すると思っていること自体が間違いなんだ。それは逆に言えば自分が正しい意見を持っていて、他の人もそうであるべきだと思っている証であり、傲慢な考え方だ。
育ってきた環境も、接してきた人間も、経験してきたことも違う二人の人間が、いつも仲良しなんてことはあり得ないし、なんならずっと同じ生活をしてきた二人の人間の間で意見が割れることだってある。
しかし意見が割れることは悪いことではない。ただ二人の人間がそれぞれ違う意見を持っていたという事実、それだけの価値しかない。そこに良し悪しなんて存在しない。
本当に大事なのは、いろいろな人と意見を交換し、いろいろな意見があるということをとにかく受け入れ、自分の知る世界を広げることだと思う。それが成長というものだ。
「議論することは必要なことだ!」
そんなのはわかってる。でも議論とは「複数の人間が持つ意見を一つにまとめる」という必要性があって発生する出来事であり、普段の生活の中で議論なんかする必要なんてない。唯一の結論なんていらないし、そのために言い争うこともしたくない。
何を言いたいのかわからなくなってきたが、撤回しないまま会話を続けると、嘘に嘘を重ねることになる。なぜなら前提が違っているのだから。撤回をするなら早いほうがいい。撤回した結果盛り下がったところで、それは相手と意見が違っているだけのこと。