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パーパス

2022年1月21日

PURPOSEパーパス 会社は何のために存在するのか あなたはなぜそこで働くのかを読んだ時のメモ。

結論から言うと「何をするか」ではなく「どうあるべきか」というのが一番腹落ちする内容だった。

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッションは組織の存在意義を定めるものであり、求心力を高めることを目的としている。
現状と理想のギャップをつなげるためのベクトルである。どの点からどの点にむけて、どういうルートでどれくらい進めばいいのかを指し示す。

ビジョンは組織が目指す理想の状態を定めるもの。その目的は社内外をとわず人とを動かすことである。
以前は中長期経営計画などに「この時点までにこういうことを達成する」というかたちで盛り込まれていた。
VUCAの時代、未来に固定的な不動のビジョンを定めることが難しくなってきているため、ミッションを達成した時の社会像を野心的に定義したものに変わってきている。

バリューは組織の一人一人が共有する価値観であり、組織文化を作り出すことが目的である。今我々が大事にしないといけないことは何か。
バリューを行動パターンに落とし込んだものがルールやクレド(行動規範)というかたちで具体的な事柄になる
囲い込みの時代では、バリューは内側の人間が組織文化に倣っているか、つまり人事評価などに利用されることがあった。
呼び込みの時代では、文化は外に向けて発信し、共感を得ることのために使われることが多い。それがサービスやプロダクトにも反映されることが理想的。

パーパス

ミッションの亜種とも言える

ミッションを大いなる目的のために起こす行動と捉えると、パーパスはその動機、と捉えることができる。
ミッションが社会に対して何を働きかけたいのか(Do)という視点だとすると、パーパスは社会の中でどうありたいか(Be)、ということを示す。

  • 我々はなぜこのビジネスをしているのか
  • どんな価値を生み出せるか
  • どんな役割を果たしているのか

会社の、社会における存在意義を自明とせずに、自分達のビジネスの目的を探究し、その末に自分達の役割を世の中に提示しているかどうか

構成員や関係者はその組織に全てを捧げるという感覚を持っていない。そのため組織の存在意義を明確にし、自分ごと化させることで自分なりのストーリーを生み出し、それを社会に対するアクションへと変えられるようなコミュニケーションの媒介としての「生きた存在意義」

「パーパス」の記述は組織を裏返し、その内部を表に出す。パーパスとは、組織を外から見つめ、事業が人々の生活にもたらす違いを考えるものなのだ。

一見すると自分たちを窮地に追い込むのではないかとおもえる施策をなぜやるのか、パーパスがあることで理解できるようになる。

  • 戦略目標を余すことなく明確に描きだす
  • 従業員の意欲をかきたてる

パーパスを策定するアプローチ

遡及的アプローチ

企業の現在の存在理由に立脚して策定する。

過去をふり返り、組織的、文化的なDNAを体系化し、会社の歴史をよく理解しなければならない。

  • 我々はどこから来たか
  • 我々はどうやってここまで来たか
  • ステークホルダーにとって、我々の独自性とは何か

気の利いたフレーズでなくていい。「私たちはすでに、このようにやっていた」と言えることでいい。

将来的アプローチ

自社の存在理由を作り変えるもの。将来に目を向け、関心のあるより広いエコシステムを検討し、可能性評価する。将来を考えて、そこに組織を適合させていく。

  • 我々はどこへいくことができるか
  • どのトレンドが我々のビジネスに影響するか
  • どんなニーズや機会、課題が待っているか
  • 将来的なチャンスを切り開くため、わが社はどんな役割を果たすことができるか

パーパスブランディング

パーパスブランディングとは生きた存在意義を世の中に伝搬させる運動体を作るための方法論である。

従来のブランディングはユーザーからのイメージを管理することを扱っていたのに対し、パーパスブランディングはユーザーの行動を生み出そうとすること

宗教が伝搬する過程では

  1. 思想をデザインする
  2. コミュニティをデザインする
  3. 習慣をデザインする

クックパッドはミッションを定款に組み込むだけでなく「世界中のすべての家庭において、毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する」ということまで含んでいるらしい。

パーパスを戦略の中心に据えられているかをたしかめる

  • 会社の成長率や収益性の向上に現時点で貢献しているか
  • 戦略的決定や投資の選択に影響を及ぼしているか
  • 会社の中核となる提供価値を方向づけているか
  • 組織能力の構築や管理方法に影響を及ぼしているか
  • 経営陣の重要な課題になっているか

その他のステートメントを整理する

ステートメントは少なければ少ないほどいい。従業員が勤務時間中に目にしやすく、すぐに理解して判断基準にできるような形で明確に発信しなければならない。

  • 自社製品、サービスを購入してくれる顧客やユーザーにとって有意義か
  • 誰の生活やビジネスを向上しようとしているのかが明確になっているか
  • 自社ならではのものになっているか、自社が撤退したとしたら市場にはどんな穴が空くか
  • 私たちはパーパスにふさわしい企業か、ケイパビリティを持っているか、構築できるか
  • 競合他社よりも効果的で効率的にパーパスを遂行できるか

パーパスを実践する組織を構築するために

適材をひきつける

社内の全部署で優れた人材を育成することは現実的ではない。厳選すべきケイパビリティが何か、そしてそこに含まれているきわめて具体的なスキルに基づいて、最高の人材が必要となる部署を決めるべき。Appleがデザインチームの地位を引き上げたように。ゼネラリストをあてにしない。

縦割り組織を打破する

組織横断型チームは、メンバーが十分に時間をかけて取り組まなかったり、必要な財源や幹部の目配りを得られず成果を上げられないケースがおおい。

それを解決するためにも

  • 組織横断型チームが手腕を発揮する仕組みに改善する
    • ホームの部署で担当する業務を減らす
    • 組織横断型チームの成果物に対する責任を上級幹部に負わせ、チームを成功に導くことを幹部の実績として評価する
  • 組織体系を変更し、さまざまな職能部門のスキルを持つ人材を集めて、常設の組織横断型部門を設ける
    • 職能ごとに部門を分けるのではなく、各部門に職能がいるイメージ

リーダーがパーパスを実践する

リーダーが率先して日々の発言や行動を通じて自組織のパーパスを実践する。

リーダーがわざわざ時間をとって担当部門以外のチームに手を差し伸べる姿は強力なメッセージとなる。