たまには降りる駅を間違えてもいい
2021年7月13日
先日所沢にあるお気に入りのサウナに行くために電車に乗った。
自分の頭の中では、所沢まで3駅くらいだと思っていたが、実際は5駅。心ここに在らず状態だった私は途中の駅で降りてぼーっと歩いて改札を出たところで、頭の中に存在する所沢駅よりも小さいなと違和感を感じた。降りる駅を間違えたのだ。
歩ける距離ではないが、また電車賃を払いたくないし、改札を出た直後にまた改札を通る愚かさと、周りの目が気になるな…と10秒悩んでUターンし、改札を通り結局電車に乗り込んだ。
さて、無事お目当てのサウナにつき、扉を開けると、そこには「19:00〜ロウリュ」の文字が。降りる駅を間違えて時間を無駄にしたことで、タイミングよくロウリュを受けられることになった。
一瞬でテンションがMAXになった私は、最後の1回にロウリュが当たるように調整しながら、ととのい椅子で完全にゆったりしていた。降りる駅を間違えてよかったと、きっとニヤニヤしていただろう。
ハッとして時計をみたら、19時を2分過ぎたところだった。外から眺めると完全にアウフグース中。やってしまった…。
アウフグース中に出入りすることは、せっかく熱々になったサウナ室の温度を下げることになるのでご法度だ。周りの人に迷惑をかけてしまう、と思った。そこでもまたUターンし、一度温泉に浸かった。そして考えた。
実はこの日は自分の誕生日であった。どうしてもアウフグースを受けたい私は、温泉から抜け出し、思い切ってドアを開けた。そこは異常空間だった。
中ではなんとEDMがなっていて、アウフギーサーが走り回っているではないか。自分が途中で入ってきたことなんて誰も気にしてなかった。
最高の熱波を受けて、最高にととのった。そしてととのいながら、また考えた。
「間違えたら素直にやり直せばいい。笑われるのが自分だけなら、何も問題はない。人を笑わせることはいいことじゃないか。」
「まわりの目なんて気にする必要はない。自分が欲するものが目の前にあるなら手を伸ばせばいい。」
「もし自分が降りる駅を間違えた人を見かけたらどう思う?ロウリュの途中で入ってくる人を見かけたらどう思う?なんとも思わないだろ」
自分は周りに気をつかってきた人間という自覚がある。それは逆を言えば、自分を出さないということでもある。そして、それを言い訳にすることもあったと思う。
そんなこと、気にしすぎだと思う人もいるだろう。しかし、自分はそういう人間だ。そして、こういう生き方をしてきたからこそ得たものもある。でもそれはもうやめだ。
30歳から一つ年をとり、そして一歩、前に踏み出せた気がする。あとは自分次第だ。30年間ともに生きてきた自分を捨てるのはきっと難しい。でもこれは決意だ。