SIAF2024
2024年3月30日

札幌国際芸術祭 SIAF2024に行ってきた。
ディレクターはアルスエレクトロニカの小川さん。パートナーにSONYとかパノラマティクスも参加していて、久々にメディアアート堪能できそうでけっこう期待してた。
テーマは「LAST SNOW」。冬の北海道自体初めて行った私にとっては、北海道で雪を体験するのはLASTではなくFIRSTなわけだが、なにごとも初めてというのは1回しか体験できないので、ラストでありファーストということで(何が言いたいか分からない)
未来劇場

未来劇場は施設としての魅力も体験できるし、展示も非常によかった。
チェ・ウラムさんの「穴の守護者」は生き物のような繊細な動きをする機械から、機械と生物の境界という数年後に直面するであろうテーマを目の当たりにしたような気がした。
メッシュ状に作られた人のオブジェに光を当てて、人が歩く様を表現している後藤映則さんの「In motion」や、ガラスという素材で様々な表現している青木美歌さんの作品はいつまでもみていられる作品ばかりだった。
国松希根太さんの「WORMHOLE.」もよかった。人為的に傷を付けられた木の彫刻からは寂しさも感じる。

いずれも生命や時間を考えさせられるテーマであり、それは未来について考えることと近いのかなと思う。
さっぽろ雪まつり
せっかく行くならさっぽろ雪まつりも見てみたかったので、ちょうど期間がかぶっている時期にいった。
巨大な雪像はインパクトはあるけど、全体のバランスとったり細部の調整が難しいのか、どこかチープな感じが出てしまうし、プロジェクションマッピングのスクリーンとして使われてしまってなんとなく大衆向け(インパクトはあるけど、クオリティはそこそこ)な印象を受けた。
どちらかというと中規模くらいの雪像をゆっくりみたかったが、雪は降ってて、地面はツルツル、人もたくさんで終始危機感しかなかった気がする。
札幌
芸術の森美術館でみた明和電機の展示も、私が知っている明和電機とは違う一面を知ることができたり、モエレ沼公園もロケーション含めてとてもよかった。
どちらも都心部からは距離があってバスで移動することになったけど、移動中はずっと雪をみていた。というか一面雪だらけなので、見ざるを得ない感じだけど。
宮城も東北のうちの1つだけど、最近の都心部の雪は残らない。夜中から朝にかけてがーっと降って積もる時もあったけど、次の日にはほとんどが溶けていたりするし、雪予報が連続することもない。
札幌には雪を保管しておく領域がある。冷熱を必要とする季節まで保管しておいて、冷房や冷蔵に利用するためのようで、雪氷熱利用という。
一方で融雪槽と言って、下水などの熱を利用して雪を溶かす施設も存在するらしい。
矛盾しているように見えるけど、調べてみると融雪槽は一般家庭にも外構の一環として取り入れられるものらしい。
考えてみれば当たり前だけど、雪は局所的に積もるわけではなく全体に積もる。とはいえ、ゴミ収集車のように全ての雪を回収してくれる仕組みがあるわけでもないので、自宅に積もった雪は自分で処理する必要がある。
つまり、利用する分はどこか保管し、邪魔になる分は各自解かしているということ。札幌市のWebサイトには冬の暮らし・除雪というページがあり、やはり雪への向き合い方は全然違うんだということがわかる。
仙台で雪が降れば、道路は渋滞するし、電車も遅延するからめんどくさいな、くらいの感覚だけど、おそらく雪国では死活問題なんだと思う。
ちなみに道路はあまり混んでいる印象はなかったし、あまり人多くないんだなぁーと思っていたらみんな地下にいた。
雪の街として地下が発展するのは当然だよなと思いつつ、観光客と現地の人の雪に対する感じ方の境界を地上と地下という物理的な境界として感じた。
初めての土地に行く時は、分からないことに対する不安と好奇心がいつも入り混じる。が、この独特の感情が旅のいいところの1つだと最近は思う。
